地震でけが人を見つけたら、すぐ駆け寄る?救急現場の「安全確認」 | 大阪の東洋医療専門学校

地震でけが人を見つけたら、すぐ駆け寄る?救急現場の「安全確認」

防災週間|救急救命士学科

地震でけが人を見つけたら、
すぐ駆け寄る?

助けたい気持ちがあっても、落下物や火災、余震が残る場所では救助者まで被災するおそれがあります。救急活動の出発点「現場の安全確認」を学びます。

先に
結論

地震後にけが人を見つけたら、まず自分と周囲の安全を確認します。危険を取り除けない場所へは入らず、119番へ場所・人数・傷病者の様子・現場の危険を伝えます。安全を確保できてから、反応と呼吸を確認し、できる範囲の応急手当へ進むのが基本です。

目の前に倒れている人がいたら、反射的に走り寄りたくなります。しかし地震の直後は、普段なら安全な道路や建物も状態が変わっています。割れたガラス、傾いた壁、切れた電線、火や煙、次の揺れ。傷病者だけを見て進むと、助ける側が新たな傷病者になるかもしれません。

なぜ「手当」より先に安全確認なのか

日本赤十字社は、傷病者が発生したとき、まず周囲の状況と二次事故の危険を確認し、危険を排除できない場合は専門機関へ通報することを示しています。ここでいう二次災害とは、最初の地震や事故に続いて、落下物、火災、崩落などで被害が広がることです。

「早く近づくこと」と「早く助けること」は同じではありません。安全な進入経路を選び、必要な部隊や資器材を呼ぶ判断も、救命につながる行動です。

防災週間は8月30日から9月5日

内閣府は、毎年9月1日を「防災の日」、8月30日から9月5日までを「防災週間」としています。非常持出品だけでなく、家・学校・通学路で「人が倒れたとき、どこに危険が残るか」も話し合っておきましょう。

地震後に見る4つの危険

CHECK 01

頭上と建物

看板、照明、瓦、窓ガラス、外壁、傾いた柱や塀を確認します。倒壊・座屈した建物には、専門部隊の安全評価なしで入らないことが重要です。

CHECK 02

火・煙・ガス・電気

焦げたにおい、煙、漏電のおそれ、切れた電線などを見ます。電線や濡れた場所の電気設備には触れず、火災やガス臭があれば距離を取ります。

CHECK 03

足元と交通

ガラス片、段差、液体、がれき、陥没に注意します。道路では緊急車両や一般車、自転車が接近していないかも確認します。

CHECK 04

余震と避難経路

「今は止まっている」だけで安全とは限りません。次の揺れで倒れそうな物と、危険が迫ったときに退避できる方向を確かめます。

発見者が行う「止まる・見る・呼ぶ・助ける」

安全を崩さない4段階

いったん止まる
周囲の危険を見る
119番と協力者を呼ぶ
安全な範囲で手当する

119番では、住所や目印、けが人の人数、反応や呼吸の有無に加え、「壁が傾いている」「煙が出ている」「電線が落ちている」といった危険も伝えます。救急隊だけでなく、救助隊や消防隊などが必要かを判断する材料になるからです。

安全に近づける場合は、肩をやさしくたたきながら呼びかけ、反応と普段どおりの呼吸を確認します。反応がなく、普段どおりの呼吸がなければ、通信指令員の指示に従って胸骨圧迫とAEDへ進みます。観察に時間をかけすぎて通報や手当が遅れないことも大切です。

勇気とは、危険な場所へ飛び込むことだけではありません。立ち止まり、危険を伝え、必要な人と装備を正しく呼ぶことも、人を救う行動です。

救急救命士も、一人で危険区域へ入るわけではない

大規模地震の倒壊建物では、指揮隊、救助隊、消防隊、救急隊に加え、警察、医療機関、建設関係者などが連携します。総務省消防庁の救助活動要領でも、情報収集、活動区域や退避場所の設定、安全管理員の配置、関係機関との調整が重視されています。

救急救命士の役割は、傷病者の観察と処置だけではありません。安全な場所で受け入れる準備をし、救助隊から受傷状況を聞き、緊急度を評価し、搬送中に再評価して医療機関へ引き継ぎます。現場全体の動きを理解し、「今どこまで安全か」「誰が何をするか」を共有する力が必要です。

学校で身につけるのは、手技と状況判断のセット

東洋医療専門学校の救急救命士学科では、あらゆる現場を想定した総合訓練や、救急・災害現場を想定したシミュレーション実習を行っています。人形へ処置ができるだけでは、現場活動は完結しません。

現場想定実習で確認したい力

  • 状況評価:傷病者へ接触する前に危険と進入経路を確認する
  • 情報共有:危険、人数、傷病者の状態を短く正確に伝える
  • 役割分担:指揮・救助・観察・処置・搬送を連携させる
  • 安全管理:余震など状況の変化に応じて活動を止め、退避する
  • 振り返り:訓練後に判断と連携を検証し、次の行動へつなげる

学校を選ぶときは、設備の多さだけでなく、危険の発見、声かけ、報告、チーム連携まで含めて練習できるかを見てみましょう。オープンキャンパスでは、「実習で安全確認をどう評価していますか」と質問するのもおすすめです。

よくある質問

Q.建物の中から助けを呼ぶ声が聞こえたら、入ってよいですか?

A.倒壊や落下の危険を判断できない建物へは入らず、119番へ正確な場所、聞こえる方向、建物の状態を伝えてください。自分まで閉じ込められると救助がさらに難しくなります。

Q.けが人は安全な場所へ動かした方がよいですか?

A.火や崩落など差し迫った危険がなく、呼吸が保たれている場合は、むやみに動かさないのが基本です。危険が迫る場合も一人で無理をせず、119番の指示を受けてください。

Q.救急救命士は救助隊と同じ仕事をしますか?

A.役割は重なりながらも同じではありません。救助隊は危険場所からの救出を担い、救急隊・救急救命士は観察、救急救命処置、搬送、医療機関への引継ぎを中心に、互いに連携します。

まとめ|助ける前の数秒が、二次災害を防ぐ

地震後にけが人を見つけたら、いったん止まり、頭上・建物・火・電気・足元・交通・余震を確認します。危険を取り除けない場所へ入らず、119番へ現場の危険まで伝えます。

安全が確保できてから、反応と呼吸の確認、応急手当へ。救急救命士も、状況評価とチーム連携を土台に活動します。「自分が傷病者にならない」ことは、救命の第一歩です。

現場を想定した救急救命士の学びを見てみよう

授業、シミュレーション実習、資格・就職サポートは、東洋医療専門学校の救急救命士学科ページで確認できます。

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参考資料

※制度・安全情報・リンクは2026年8月24日時点の公表情報を確認しています。

この記事を書いたのは・・・?

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救急救命士学科 学科長|救急救命士(国家資格)

◎ 経歴:救急救命士としての専門知識を生かし、東洋医療専門学校で救急救命士・消防官を目指す学生を指導。現在は救急救命士学科長として学科運営に携わりながら、国家試験・消防採用試験対策、傷病者の観察・判断、シミュレーション教育などを担当している。また、生成AIやICTを活用した教材開発・教育DXにも取り組み、学外では高校生や地域住民を対象とした救命講習・防災教育も行っている。

◎ 担当科目:救急医学概論・外傷・救急救命処置・シミュレーション実習・国家試験対策・消防採用試験対策 など
◎ その他:JPTECインストラクター/教育DX・生成AI活用を推進🤖/地域の救命・防災活動にも参加しています🚑