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業界求める最新技術・歯科用「CAD-CAM」とは?メリット/デメリットは?

今注目されている最新の歯科技術「CAD-CAM」(キャド-キャム)とはどんな技術なのでしょうか?

そもそも、「CAD-CAM」とは、医療業界だけではなく機械工業などを含むモノづくり全般で使われている言葉です。
今回は、この歯科用「CAD-CAM」について詳しく説明していきます。

 

目次

  •  

    ■「CAD-CAM」とは


    CAD-CAM (Computer-Aided Design/Computer-Aided Manufacturing)とはコンピューターを用いて設計や生産を行う技術です。

    「CAD」とはComputer Aided Designの略で、コンピューターを使った設計支援という意味です。機械、建設、土木、電気など、さまざまな分野で使用されています。

    「CAM」とは、Computer Aided Manufacturingの略で、計測装置、設計装置、加工装置の3つから構成されており、コンピューターによる製造支援を意味しています。

     

    ■歯科技術における「CAD-CAM」とは

    歯科技術における「CAD-CAM」とは、口腔内に装着する補綴物(クラウンやインレー)を、このCADやCAMのシステムを用いて設計、作成する技術のことを言います。

    歯科用「CAD-CAM」は、患者さんの口腔内を3Dカメラで治療箇所をスキャンして、そのデータをもとに補綴物の設計をコンピューター上で行います。
    そして、その情報をもとに専用の加工機でセットした素材を削って作成されます。これによって、従来は必要だった型取りも不要になり、治療期間の短縮にもつながります。

    セラミックとプラスチックを使用して作成された白い被せ物を「CAD-CAM冠」(ハイブリッドレジン)とも言い、セラミックとプラスチックを混ぜることで高い強度を保つことができます。

     

    ■保険が適用されるのか

    通常、むし歯などの治療でセラミックを使用した白いかぶせ物を作る場合は保険適用外の治療になり、保険治療では銀歯以外の選択肢はありませんでした。

    「CAD-CAM冠」は、令和2年度診療報酬改定でほぼすべての歯において保険適用ができるようになりましたので、保険内の治療でも、白い歯を選択する幅が広がりました。

     

    ■「CAD-CAM」のメリット、デメリットについて

    <メリット>

    ・保険適用の治療で白い歯を選ぶことができます。

    ・セラミックとプラスチックを使用しておるので金属アレルギーが起こりません。

    ・歯垢や歯石が付着しにくいため清掃性が高いです。

    ・料金が保険適用外のセラミックに比べて安価でできます。

    ・口の中をスキャンしてデータをとるので治療期間も短縮できます。

    ・硬さが天然の歯に近いので、他のかみ合う歯にダメージを与えにくいです。

     

    <デメリット>

    ・材質が、銀歯やセラミックに比べると強度が低いため、使っているうちに摩耗してしまいます。そのため義歯の支えになる歯や、歯ぎしり食いしばりが強い人には向いていません。

    ・銀歯のかぶせ物に比べて外れやすい面もあります。

    ・色のバリエーションもセラミックほど多くはなく、最初はツヤがある表面でもだんだんと劣化しツヤが無くなってきます。

    ・セラミックに比べ材質が柔らかいため、表面に傷がつき汚れが付きやすくなる場合もあります。

     

    ■まとめ

    ここまで歯科技術における「CAD-CAM」について説明してきました。
    歯科医療に革新的な技術をもたらした「CAD-CAM」ですが、治療期間を短縮することが可能で、型取りの際の不快感もなくなりました。
    さらに、今までであれば、銀歯以外の選択肢がなかった患者さんも、白い歯を選択できるようになりました。

    「CAD-CAM冠」は、銀歯よりも自然に見えて、金属アレルギーを発症する心配もありません。もちろん銀歯やセラミック素材に比べて、比較的強度が脆く、義歯の支えになる歯には使用できないなどのデメリットもありますが、それを差し引いても多くのメリットがあります。

    保険診療で銀歯ではなく歯を白くしたい方などは「CAD-CAM冠」をおススメします。しかし、食いしばりや歯ぎしりの強い人には向いていないので、特性をしっかり理解して選択する必要があります。

    動画で見るCAD-CAM

    歯科技工士についてもっと知りたい方はコチラ