歯科技工士の資格の難易度や取得方法について解説!
歯科技工士として働くためには、国家資格が必要です。
歯科技工士は医療系の国家資格で、一度取得すれば一生の仕事として続けることができます。
超高齢社会を迎えた日本では、多くの高齢者が必要とする義歯などを作る歯科技工士にニーズが集まっており、非常に将来性の高い仕事と言えます。
また、矯正など審美歯科の普及により、歯科技工士の美的センスも求められ、歯科医院や、歯科技工所をはじめ、海外の医療現場でも活躍することができます。
今回は、歯科技工士国家試験の難易度や、資格の取得方法について解説します。
目次
歯科技工士の仕事内容は、歯科医師が作成した指示書をもとに補綴装置といわれる歯科技工物を作成や加工・修理を行うことです。
■歯科技工士の資格取得方法
歯科技工士になるためには、年に1回実施される歯科技工士国家試験に合格する必要があります。
高校を卒業後、歯科技工士教育機関の専門学校や短大、4年制大学で必要なカリキュラムを修め、知識と技術を習得することで、国家試験の受験資格を得ることができます。
4年制の大学を除くと、修業年数は、2年制、3年制が中心です。
専門学校と大学の違いは、より専門的な知識・技術を学べるかどうか。
専門学校では歯科技工士としての知識・技術を中心に学び、加えて一般的な医学知識や歯科に関する事柄を学んでいきます。
「歯科技工士になるために必要な内容」がメインです。
2年制と3年制の専門学校の違いは、より高度な技術が学べるかどうか。
歯科技工業界はコンピューター技工のCAD-CAMや、審美歯科など自由診療の分野が大きく発展してきています。
在学中からそういった分野を勉強できるメリットは非常に大きいように思われます。
大学や短大の特徴は、一般教養が多くカリキュラムに組み込まれているということ。
その分、歯科技工に関わる授業は少なくなりますが、卒業後は一般企業等への就職口も開けます。
歯科技工士国家試験では、筆記試験だけではなく実地試験といった歯科技工の実技試験も行われます。
その為、知識だけでなく、技術もしっかり学べる学校選びが必要です。
国家試験に合格すると、都道府県知事を経由して厚生労働大臣に免許申請をしてから、免許証の交付を受けることができます。
■歯科技工士国家試験の難易度
歯科技工士国家試験は、学科試験と実地試験を受けなくてはなりません。
学科試験は、歯科理工学、歯の解剖学、顎口腔機能学、有床義歯技工学、歯冠修復技工学、矯正歯科技工学、小児歯科技工学、関係法規があり、全部で8科目から出題され、すべて全科目必修となっており、これらは学校で学習した知識で試験に対応することが出来ます。
実地試験は、必修試験と任意試験があり、歯型彫刻や全部床義歯の人工歯配列、歯冠修復物のワックス形成などがあります。
次に、歯科技工士の国家試験の合格基準はどのように判断されているのかを下記にまとめました。
1.学説試験
配点を、1問題1点、合計80点満点とし、48点以上の者を合格とする。
ただし、基礎科目群及び専門科目群別得点のいずれかが、その科目群の総得点の30%未満である者は不合格とする。
総得点 48点以上/80点
2.実地試験
1課題を30点、合計90点満点とし、54点以上を合格とする。
総得点 54点以上/90点
3.学説試験、実地試験それぞれの合否基準を満たした者を合格とする。
『令和元年度歯科技工士国家試験の合格基準』(引用:厚生労働省)
学説試験では、基礎科目群及び専門科目群別得点のいずれかが、その科目群の総得点の30%未満である者は不合格とするとされる足切りがありますので、注意が必要です。
しかし、令和元年度の歯科技工士国家試験の合格率は95.0%で、学校で知識と技術をしっかり学べば、合格の確率はかなり高いと言えるでしょう。
■まとめ
歯科技工士の国家試験合格率は、ここ数年90%以上の受験者が合格しており、学校で着実に知識とスキルを積み上げていれば、合格のチャンスは十分にあると言えます。
また、専門学校や短大、4年制の大学と選択の幅はありますので、どのような学び方をして、どんな歯科技工士になりたいのかを考えて、学校を選ぶをしてみてください。
「歯科技工士になる!」という具体的な目標がしっかり立っているのであれば、専門的な知識や技術を集中して身に着けることができる専門学校がおすすめです。
ぜひ参考にしてみてください。