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柔道整復師のルーツ!なぜ「柔道」?柔道の経験は必要?
医療系の国家資格のひとつである「柔道整復師」は、その名前の通り、「柔道」と関わりを持つ資格です。ここでは柔道整復師のルーツやその成り立ち、そして柔道未経験者でも柔道整復師になれるのか、現在の柔道整復師の仕事について解説していきます。
柔道整復師のルーツは柔術の活法にあり
柔道整復師は、柔道のルーツである柔術における「手技」や「整復技術」が治療技術として発展したことが起源です。柔道は相手を投げたり関節技をかけたりする武道で、特に関節技は柔道における重要な技です。このような技を練習する中で、関節や骨に対する理解が深まり、ケガをした際にその技術を使って整復を行う方法が発展していきました。これらの技術は、特に戦国時代や江戸時代において、武士が戦場でのケガを治すために使われ発展したと言われています。ちなみに柔術では攻撃のために使われる技術を「殺法」、治療のために使われる技術を「活法」といいます。
柔道整復師という職業が法的に整備されたのは、戦後のことです。1970年、「柔道整復師法」によってその立場や対応可能範囲が明確に定められ、その後、柔道整復師は国家資格となりました。資格を得るためには、養成学校で学んだ後に国家試験に合格しなければならず、これにより柔道整復師の職業としての信頼性が高まりました。
柔道整復師になるには柔道の経験は必要?
柔道整復師は、先ほど述べた通り柔道と同じルーツである「柔術」から発展してきたため、実際に柔道をしていた人が柔道整復師を志すということは少なくありません。しかし、柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫などの外傷に対する治療を行う医療職で、柔道の経験が必ずしも必要というわけではありません。養成学校に入る段階では柔道の経験は問われませんが、柔道の基本的な動作や考え方は通ずることも多く、養成学校のカリキュラムの一つとして柔道の授業が含まれます。しかし、強くなるための柔道ではなく、作法や考え方を学ぶ内容に留まります。
柔道経験があると治療技術を習得する上で有利に働くことはありますが、経験がなくても柔道整復師として活躍することは十分可能です。柔道整復師の仕事においては、柔道の試合経験よりも解剖学や治療技術の知識、患者さんに対する適切なアプローチが重要となります。
現在の柔道整復師の仕事や活躍の場所とは
ここまで柔道整復師の成り立ちや、柔道整復師と柔道経験の必要性について紹介してきました。ここから少し「現在の柔道整復師はどのような仕事をしているのか」について解説していきましょう。
柔道整復師の仕事の中心となるのは、骨折、脱臼、打撲、ねんざ、打ち身など、骨や筋肉に関わるケガに対して、自らの手や包帯、テーピングを使って、治療にあたったり、リハビリを行ったりすることです。
柔道整復師の働く場所としてもっとも多いのは、やはり「接骨院・整骨院」です。スポーツなどを原因とする外傷はもちろん、交通事故の治療やぎっくり腰などの治療に当たっている柔道整復師も多く見られます。また、柔道整復師の資格を活かして、スポーツジムでスポーツトレーナーとして働いたり、プロのアスリートのチームの一員として活躍したりする人もいます。理学療法士や看護師、作業療法士や医師と組んでチーム医療に当たっている人や介護現場でリハビリを行う人など、活躍のフィールドがとても広いのが特徴です。
なお柔道整復師は、独立開業が認められている資格です。そのため、自分で接骨院・整骨院などの開業に踏み出す人も多くいます。ただ開業を行う場合は、柔道整復師としての知識や経験はもちろんのこと、営業・経営に関係する知識も必要となるでしょう。
まとめ
柔道整復師の起源は、柔道をはじめとする日本の伝統武道における「手技」「整復技術」に由来します。武道の中でケガを治すための技術が発展し、それが専門職として制度化され、現在の柔道整復師の職業が成立しました。日本古来の「手技」や「整復技術」が今では国際的にも注目され、また高齢化社会が進んでいく未来においてはさらに重要性が増す仕事だと考えられています。
上記でも述べた通り、柔道整復師として活躍するには国家資格試験に合格しなければなりません。
柔道整復師の国家資格試験の合格率は66.4パーセント(2024年)です。国家資格の試験の合格率としてはそれほど悪い数字ではなく(例:司法書士の場合は5パーセント前後)、10人のうち6~7人は合格しています。ただ見方を変えれば、10人のうちの3人~4人は不合格になってしまうということです。
柔道整復師の学校を選ぶ上で、国家試験の合格率の高さが重要な要素の一つとなることは間違いありません。東洋医療専門学校は、柔道整復師の国家資格試験の合格率が88.7パーセントであり、就職率も毎年100パーセントを誇ります。国家試験に対する補修講座や模擬試験をしっかり行うことはもちろん、現場に出てから求められる実技に関しては、実際に患者さんの治療に携わっている講師の方から学ぶことができます。万が一国家試験に合格できなかった場合であっても、授業料がかからず受かるまでサポートする学習システムを提供しています。
また東洋医療専門学校の授業では初心者でもイチから丁寧に指導しています。女性はもちろん、男性の初心者の方もご安心ください。3年生になるころには、柔道の授業が好きという学生も多いです!
しっかりとした知識と技術を身に着けたいという方は、ぜひ東洋医療専門学校の見学にお越しください。
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