柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は何が違う?
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は似た部分もありますが、異なる資格です。ここでは柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の資格に関することや仕事の違いや、「マッサージ」の意味について紹介していきます。
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師、どちらも国家資格
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の違いについて解説する前に、まずはこの2つの共通点について解説していきます。
この2つの共通点は以下の通りです。
・国家資格
・最低3年、どちらも夜間部で学べる
・独立開業が認められている
ひとつずつ解説していきます。
国家資格
柔道整復師もあん摩マッサージ指圧師も、両方とも国家資格を取得しなければ就くことのできない仕事です。
また、その職業に就くためには、1年に1回実施される国家資格試験を合格しなければなりません。
ちなみに柔道整復師は3月に、あん摩マッサージ指圧師は2月に国家資格試験が行われることが多いです。
最低3年、どちらも夜間部で学べる
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は、専門の養成機関で学ばなければ受験資格を得ることのできない資格です。学ぶ学校の種類は、専門学校や短大、大学などいろいろありますが、3年以上の修学期間が必要です。たとえ知識があったとしても養成機関を出なければ受験ができません。
なおどちらも、昼間部だけではなく、夜間部も設けられています。「昼間部のみ」の学校もありますが、「夜間部」のある学校を選べば働きながら受験資格を得ることが可能です。
独立開業が認められている
医療に関係する資格は数多くありますが、そのなかには独立開業が認められているものと認められていないものがあります。たとえば、「歯の健康」に関わる資格の歯科技工士は独立開業が認められていますが、歯科衛生士は認められていません。
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は、いずれも独立開業が認められている資格です。そのため、将来的に自分の治療院などを開業することが可能です。
柔道整復師は「回復」を目指し、あん摩マッサージ指圧師は「緩和」を目指す
ここからは、柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の違いについて解説していきます。
・治療の目的
・対応できる身体の痛みとマッサージを行える範囲
・(補足)エステティシャンと整体院ではマッサージはできない
治療の目的
柔道整復師は、患部にアプローチして、身体の痛みの「回復」を目指します。また、骨折、脱臼、打撲、ねんざ、などの治療を目的としてテーピングや包帯で患部の固定をおこなったり、リハビリテーション業務を担当することもあります。
対してあん摩マッサージ指圧師は、身体の痛みの「緩和」を目指します。主に対応するのは腰痛などに代表される慢性的な不調です。これらの改善を目指していくのがあん摩マッサージ指圧師の仕事です。
対応できる身体の痛み・手技を行える範囲
あん摩マッサージ指圧師はマッサージ(患部を押したり揉んだりして筋肉などに刺激を与えていくこと。治療を目的として行われる)を自身の判断で行うことができます。あん摩マッサージ指圧師がマッサージを行う場合は、医師の指示は必要ありません。
しかし、柔道整復師はねんざや打撲の治療を目的としている場合もしくは医師からの指示がある場合は手技を行うことはできますが、「腰痛などの慢性的な不調の緩和のためのマッサージ」は行うことができないのです。
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師では、このように
・治療の目的
・対応できる身体の痛みと手技を行える範囲
が異なります。
(補足)エステティシャンと整体院ではマッサージはできない
また、エステティシャンはこれらの国家資格を有していないため、生業として「マッサージ」を行うことはできません。また、「整体院」もマッサージを行えません。マッサージは医療・治療の範疇(はんちゅう)に分類されるため、これを行える国家資格を持っていない人はできないのです(※「整体院」としているが、あん摩マッサージ指圧師を雇っている」などのケースは除く)
活躍の場には共通点が多い
上記では「柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は、その治療の目的や対応できる身体の痛み、手技を行える範囲が異なる」とお伝えしました。ただ、この2つの仕事(に就いている人)は同じ職場で働くことがよくあります。
・治療院(接骨院・整骨院)
・病院などの医療機関
・介護福祉施設
・スポーツ関連施設
ひとつずつ解説していきます。
治療院
接骨院(整骨院)などは、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の活躍の場所としてもっともメジャーです。治療院の規模はさまざまで、個人経営のところもあれば全国展開しているところもあります。
また、柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の両方を雇っている治療院もあります。
病院などの医療機関
柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は、病院(クリニック)などの医療機関に在籍することもあります。柔道整復師はリハビリなどを担当することができますし、あん摩マッサージ指圧師は肩こりなどの改善を目的とした施術を担当することができるからです。なお病院(クリニック)に代表される医療機関に勤める場合は、ほかの医療職と連携を図る必要があります。
介護福祉施設
超高齢社会である現在の日本において、介護福祉施設は非常に重要な役目を持っています。
人は年齢を重ねることで身体に痛みが出やすくなり、リハビリや腰痛対策が求められるようになります。高齢者の方をサポートできる柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は、介護施設でも求められる人材なのです。
なお介護施設のなかには、「訪問リハビリ」という形で、個人宅にを訪問し施術をするプランを展開している施設もあります。
スポーツ関連施設
スポーツで、怪我に見舞われる確率は決して低くはありません。特に打撲やねんざ、腰痛などはしばしば見られるものです。
このような怪我に対処でき、また怪我をしないための方法も提案できる柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は、スポーツ関連施設などでも活躍できます。なかには「柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の資格を持ったスタッフが常駐していること」をひとつのウリにしているスポーツ関連施設も見られます。
なお、柔道整復師は「柔道」整復師といいますが、もちろん柔道以外の怪我の治療も行うことができます。
まとめ
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は、その共通点の多さから「似たようなもの」と思われることも少なくありません。
しかし柔道整復師は「痛みなどの症状からの回復」を目的とするのに対して、あん摩マッサージ指圧師は「痛みなどの症状の緩和」を目的とするという違いがあります。
どちらもやりがいのある仕事ですが、「国家資格を取得しなければ始まらない仕事」です。そのため学校を選ぶ際には、その学校の国家試験合格率をしっかり確認する必要があります。
東洋医療専門学校の柔道整復師学科は、大阪NO.1の国家試験合格者数を出し、就職のサポートも万全です。
しっかりした知識と技術を身に着けたいという方は是非お問合せください。
▶大阪の東洋医療専門学校の柔道整復師学科はこちら
関連記事
柔道整復師とは?仕事内容・資格の取得方法・就職先について解説
柔道整復師になるには?専門学校と大学のメリットとデメリットをご紹介!